偏愛ヴォーカリスト視聴室

あくまでヴォーカリスト重視の姿勢で聴く、極私的音楽レビュー&音楽関連のネタ帳。

このBlogについて

偏愛ブロガーのための映画。


「ジュリー&ジュリア」って映画があるんです。
あんまり宣伝見かけないんで、公開があっという間に終了しそうです。
ブロガーの方はお早めに!

http://www.julie-julia.jp/

……というのも、これはアメリカの30歳女性ブロガーの実話。


周りの友達はガンガン仕事をして目立ってるのに、私にはナニも無い。
ボロアパートに、編集者の夫。
自分は、911テロの被害者向けコールセンターに勤めている。
趣味は料理と食べること。 


ある日、ふと思いつく。


私もブログをやるわ!
憧れのジュリア・チャイルドの料理本全レシピ524を1年間で作って、
それを公開するの!」


彼女の場合、有名になりたいからというよりも
「何でも途中で投げ出す自分に見切りをつけたい」=「有言実行」のために
ブログを始めるのですが、途中で勝手にプレッシャーを感じてキレたりして、共感ポイント満載でした。



私が最初に作ったサイトは1999年の映画のネタバレ感想投稿サイトで、
ブログは2003年から始めました。

10個ぐらいのブログを作ってちょこちょこ更新していますが、
私が2006年から最も好きで好きで書いていたのは、このブログでした。


この映画の中にはブログにまつわる悩みを夫にぶつける「モニターのこちら側」が描かれていて、
バンド名やアーティスト情報を相方に確認しながら書いていたころを思い出します。
※今も表記が間違ってるとチェックが入ります。


彼女のブログ名は「ジュリー&ジュリアプロジェクト」と言います。
http://blogs.salon.com/0001399/

憧れの料理研究家、ジュリアが亡くなった時の記事を最後に更新されていません。


ブログは、出版に遠い人間にも「読んでほしい」という欲を昇華させてくれます。
私が書くライブレポなんて、商業ベースには絶対に乗せられません。
その程度のクオリティ・知識・知名度だという自覚があります。


それでも、書かずにいられなかったのは好きで好きで仕方がなかったからです。
誰がとか何がとか言いません、今さら。

ジュリーが憧れのジュリアのコスプレまでしてるのを映画館で見て、
私は伸びた髪の毛を思わず触ってしまいました。

……アホちゃうか。

80年代ロックバンドのヴォーカルにトチ狂ってた(ている)自分が、
映画の主人公の偏愛っぷりに重なります。


私がこのブログに名付けた裏ネームは「Road to GENKI」でした。
※うわーすげーハズカシー


いつか読んでもらうため。
想いを伝えるため。


これだけブログを書く情熱と時間があれば、
私はもっと集中して仕事をして、本を何冊か出せていたような気がします。


でも、後悔はしていません


この映画の彼女がレシピを再現しながら憧れの人と対話し、
ブログを書く中で自分の考えをまとめて成長していくように。


憧れの人の勧める音楽を聴きながら、勝手に対話していたような気がします。
それを言葉にすることで、新しい世界が広がっていく楽しさがこの数年間にはありました。
最初の目的から離れたところで、純粋に音楽が好きになったのは事実です。


そもそも、ロック好きになったのは当時ベタ惚れだった相方に好かれたくてのことだったので、
ブログを書くために彼と会話するのも楽しかった。
追っかけも相変わらず、公認です。  


ま、何が書きたかったかというと、自分の初期のイタイ状態を見せつけられて
参った映画だったので、紹介してみたまでです。


映画の中にはあまり描かれていませんが、有名になった後のバッシングも相当だったようで、
今回の映画には彼女はあまり参画していないようです。

私も色々ありすぎて、参った時期があります。
誰でも読める媒体というのは、本当に難しい


この辺の勉強は、今年の極私的ビジネス書ランキングではベスト3に入るコレがオススメです。

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※ネットにおける全能感の危険性を言い当ててます。


今は、初期のただただ「何だこの声(ゲラゲラ)」という衝撃を取り戻し、
25日に臨みたいと思った次第です。


この映画のテーマには「料理を通じた夫婦愛」ってのもありまして、 
最後にキッチンに流れた「Time After Time」が本当にぴったりでした。

この曲と歌詞がすっとわかるようになったのは、
長い「Road to GENKI」の旅の途中で、「ジャズ詩大全」に出会ったからです。

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私の脳内には、京都RAGで聴いたあの歌声が、二重の意味で鳴り響いてました。


And time after time you'll hear me say that I'm
  So lucky to be loving you

 
……ちょっとシャウト直前まで行っちゃってたんだよなぁ。ここで。
 
くりかえし、くりかえし。
何度でも。

好きだと書き散らせる場所があるって、なんて幸せなんだろう。

ボーカル重視主義

 好きなボーカリストがたくさんいる。

 ロック中年である相方に「ロックのボーカルなんて添え物、HR/HMはリフ!」と言われても。

 …というわけで、偏愛するアーティストや名曲・名盤をお勝手レビューしていこうと思う。ジャンルもロックにこだわらず、国にも時代にも捉われず。

 ただ「声で勝負している」一点で、あくまで独断を貫きたい。

 ところで、「ボーカリスト」ってのと「ヴォーカリスト」っての、どっちがかっこいいのだろうか(苦悩)。

 
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